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人生、いつだってミーハーじゃなきゃ。

熱意の暴走(『「柳井正は人として終わってる」を読んで』を読んで)

こんにちは!

今日は、いろんな用事が詰まっていて久しぶりに忙しい日になりそうです。

 

 

「柳井正は人として終わってる」を読んで

を読んで。

 

簡単にまとめると、UNIQLO(内部)がどうやら変な方向に向かっているぞっていうこと。(真偽の程はわからないけど、多分言いたいところはそういうところじゃないのでいいかなと。)そのことに対して詳しく内部の情報を踏まえつつ書いています。

 

 

裁量労働制(実際の勤務時間と関係なく、あらかじめ決めた時間を働いたとみなし、給与を支払う仕組み)のために、雇用人数が減っている現在、その分の労働量を他の人が負担しなくてはならないし、あらかじめ時間が決められているため、超えた時間に関わらず残業代なしで働かなくてはならない。一人あたりの労働量がどんどん増加しているということ。

 

そして業務評価がきつく、クリアできなければ、ボーナスが目減りしてしまうのだそう。

その中に含まれているのが、「英語」「課題」。その時間はもちろん労働時間に入ってないので残業代は出ないけど、規定の条件をクリアしないと、ボーナスが減る。

月30時間以上の英語学習と指定図書の感想文提出。考えただけで恐ろしい。

 

そして、1番大きいのが、「全員経営」という理念。

これが結局担当者(末端社員)が責任をとるという構造になっているということ。もし社長の意にそぐわないものをつくったとすると、一番下っ端のデザイナー、MDなどが「責任」を取って、ボーナスが減る。

結局誰かが責任をとるはめになって、上司が下っ端を引っ張って「こいつのせいです」とということにして、そのくせその上司はのこのこ上の位に行くような構造になっているんだそう。

 

いろんな人が携わり、話し合うのに、ミスったら企画立案者に罪をなすりつけるような企業

=実績のあるものをこねくり回すだけの仕事しか生まず、ミスをおそれ、チャレンジしようとしなくなる。新しいデザインのものが生まれず、売れているものをまたアップデートしながら売るという形になっているそう。(消費者側としてはうれしんだけど)

=ミスったら給料天引き。毎週の朝礼で「プレッシャーを感じろ」「追い詰められろ」「緊張感を持て」との追い打ちをかける言葉たち。逃げ道のないプレッシャー。

⇒それにつぶれて「鬱」に。

 

2011年の鬱病患者数は950万人。

ユニクロの社員数は、約4600人。記事に載っていたように、10−20%が鬱になっているとしたら大体500−600人の人がうつ病にかかっているということ。

うつ病にかかった人が増えるに連れて、また残りの社員の負担が増え、さらにまた一人あたりの仕事が多すぎて、うつに…。終わらない負の連鎖

 

はてブのコメントの中に、これを読んだコメントの中で面白いのがいくつかありました。

例えば、「柳井は裸の王様だ」とか「意識高い系過激派」だとか。うまいこと言い当ててるなーと。笑

 

 

一応きっかけとしては、「社員」のためっていうところから始まっているものの、何かおかしいです。つまり熱意(会社をよくしよう、そのためには社員の教育は欠かせない→もっと勉強させて知識労働者にしなければ…!)があらぬ方向に行ってしまい、逆に社員のポテンシャルを下げ、生産性を下げているという事実をわかっていないということがやばいところじゃないかなーと。

だから、今日は「熱意の暴走」というタイトルにしました。

 

いつの間にか、全員が経営意識をもち、成長していくという目的があって、そのための手段として課題とか勉強があったのにも関わらず、現在は、それをすることが目的になってしまい、やらないと罰則になるというよくわからない構造に。

 社員にはそれを我慢してこなすか、それとも辞めるかという二択しか与えられません。

 

ユニクロには「URC」という、新人が店長候補になり、半年間で成果を挙げられれば店長に昇格、ポストも与えられるという制度があり、かなりの上昇志向をそそられます。

それゆえに、様々な負担を超えられないのに社会に出てやっていけるのか?ということを考えると、それを辞めるということがあたかも「逃げ」のように感じてしまうために、なかなか辞めるという選択ができないようです。ゆえに、我慢し続けて鬱に、という展開。

 

経営者視点では、見えないところで努力している(本当はさせられている)ように見えるから、いいように感じるけど、社員視点では最悪だなーと感じます。これを見たら入りたくなくなるよ…。完全に「したい」っていう自発的な勉強じゃなくて、「させられている」っていう強制的な勉強だし。やりたくないこともしなければならないのもそれはあるだろうけど、やらなきゃ給料天引きってこれはひどい…。

 

 

一番これを読んで感じたことは、いわゆる「いい」とされていることでも、必ずしも誰かの「いい」ことにはならないし、やる側にたって物事をみるようにしないと、結局独りよがりのものになってしまうということ

 自分はいいことをしている!って思い込んでいる時こそ、一旦振り返りをしないとあとで大変なことになるなーって実感しました。

 

'09に社長がインタビューされた記事をみつけたのでそれを引用します。

”社長の言うとおりに会社を経営すると大失敗しますよって。それぞれの人が会社的に自立して考えて仕事をする組織にしないといけない。社長が、これは違う、あれをこうしてくれって言っていたら会社はうまくはいかない。”

いやいや、フィードバックする機会がないし、されてもらえないじゃないですかw ミスったらボーナス減らされるし。みんな顔色を窺って当り障りのないようなことをしていないといつ自分が痛い目に遭うかわからないから。

 

じゃあどうすればいいのか、っていうことは適当に自分の中でブレストしたのをあげときます。(できるできないは関係なし)

・声を聞く機会(フィードバック)を増やす(→これで話せるようになるとは思えないけどね)

・新しいモノをつくるということに、もっと資金を

・罰ではなく、報酬を

・英語よりもユニクロの教育を

・モチベーションをあげる(「されている」→「したい」に)

 

これから就活だし、いろんな会社を見ていくとは思うけど、いろいろな観点から企業について見ていきたいなと思いました。

 

 

注:労働時間を管理することが適切でなく,その遂行の方法を大幅に労働者の裁量に委ねることで,労働者がより能力を発揮できるような場合に用いるとよい結果がもたらされるものの。 でも、ユニクロはできていないように見えます。この記事では。

 

今日はマジコウのワークショップがあって、そのための課題図書?がこれだったので、いろいろ考えてみました。